2025年の日本におけるビットコイン取引の方法：実用ガイド

日本におけるビットコイン取引は、普及拡大、明確な規制、そして活発なコミュニティによって急速に成長しています。もし2025年に日本でビットコイン取引を始めたい場合は、その手順、必要なツール、そして関連する法的枠組みを理解することが重要です。本ガイドでは、ビットコインを効率的に取引するためのステップをわかりやすく解説します。

なお、これはあくまで一般的なガイドであり、投資アドバイスではありません。暗号資産の取引にはリスクが伴うため、投資を行う前に十分な情報収集と市場の理解が必要です。

1. 日本の規制環境を理解する

日本は暗号資産に関して比較的規制が整備されており、個人が安心して取引できる環境が整っています。金融庁（FSA）が暗号資産取引所のライセンス発行や規制を行っています。取引を始める前に、必ず金融庁に登録されている取引所を選択し、法令遵守と資金保護の面で安心できるようにしましょう。

2. 信頼できる取引所を選ぶ

日本のトレーダー向けに運営されている、実績のある取引所はいくつか存在します。以下は代表的な例です。

Binance Japan

最近、日本で正式にローンチし金融庁の規制を遵守しているBinance Japanは、初心者から上級者まで幅広いトレーダーに対応する充実したサービスを提供しています。使いやすいモバイルアプリ、低い取引手数料、多種多様な暗号資産の取り扱いが特長です。また、ステーキングや貯蓄商品もサポートしており、保有資産からパッシブインカムを得ることも可能です。
- 手数料：スポット取引手数料は0.1%からスタート
- 対応資産：350種類以上の暗号資産
- 規制・ライセンス：金融庁の規制に完全準拠
- 日本円の入金方法：銀行振込、クレジットカード、その他一般的な決済手段
bitFlyer

日本で最も歴史のある暗号資産取引所の一つで、金融庁の規制に準拠しており、初心者から上級者まで使いやすいインターフェイスが特徴です。セキュリティも高水準で、多様な暗号資産をサポートしています。
- 手数料：スポット取引手数料は0.15%からスタート
- 対応資産：ビットコインや主要なアルトコイン
- 規制・ライセンス：金融庁に登録済み
- 日本円の入金方法：銀行振込、クレジットカード決済
bitbank

bitbankは日本で人気のある取引所で、流動性が高く、プロ向けの取引ツールが充実しています。主要な暗号資産を幅広く取り扱っており、本格的にトレードを行う方に支持されています。
- 手数料：メイカー手数料 -0.02%、テイカー手数料 0.12%
- 対応資産：ビットコイン、イーサリアムなど主要な暗号資産
- 規制・ライセンス：金融庁の規制に完全準拠
- 日本円の入金方法：銀行振込

登録を行う前に、取引所ごとの手数料体系、取り扱い銘柄、取引上限などをしっかり確認しておきましょう。

3. アカウントを開設する

取引を始めるには、まず登録済みの取引所でアカウントを作成します。一般的な手順は以下のとおりです。

本人確認（KYC）：日本では全ての取引所で本人確認が必須です。在留カードやマイナンバーカードなどを準備しましょう。
2段階認証（2FA）の有効化：セキュリティを高めるために、アカウントで2段階認証を有効にしてください。

4. 入金を行う

アカウントが開設できたら、銀行振込やその他対応している方法で日本円を入金します。一部の取引所ではクレジットカードにも対応していますが、手数料が高めになる場合がありますので注意しましょう。

アドバイス： メインバンクとは別の銀行口座を利用することをおすすめします。なぜなら、多くの銀行が暗号資産取引所への送金を警戒しており、インターネットバンキングを一時的にロックしてしまうケースがあるためです。万が一ロックされた場合、店舗に行かないと解除できないこともあるので、メイン口座を使用すると不便になる可能性があります。

5. 初回トレードを行う

アカウントに日本円を入金したら、いよいよ初めてのトレードが可能になります。以下の方法から選択できます。

現物取引：現在の市場価格でビットコインを購入する方法
指値注文：指定した価格になったら買い（または売り）注文を行う方法。特定の価格でエントリーや利益確定をしたい場合に有効

6. ウォレットの利用を検討する（初心者向けではない）

取引の利便性を考えると取引所にビットコインを保管しておくのが手軽ですが、セキュリティを強化したい場合は個人のウォレットを利用することが推奨されます。ウォレットにはハードウェアウォレットとソフトウェアウォレットの2種類があり、さらに自己管理ウォレットと取引所管理ウォレットの違いを理解することも重要です。

アドバイス： このステップは上級者向けです。初心者の場合は、自己管理ウォレットに慣れるまでは取引所にビットコインを置いておいても問題ありません。ただし、自己管理ウォレットを利用する際は、シードフレーズを厳重に保管する必要があります。これを紛失するとビットコインにアクセスできなくなる恐れがあります。

7. 税金について

ビットコインの売買益は日本では雑所得として扱われます。年間の所得と合算して税金を申告する必要があり、税率は所得に応じて5%から45%まで変動します。取引記録を詳細に残しておくことで、確定申告の際に対応がしやすくなります。実現益の計算を簡単にするために、Cryptactのようなツールを利用することも可能です。

8. 成功するためのトレードのコツ

情報収集を怠らない：ビットコイン関連のニュースや市場動向をチェックしましょう。日本語のニュースはCoinPost、英語のグローバル情報はBTC.BLOGなどが参考になります。
少額から始める：初心者のうちは、小さい金額からスタートし、市場の動きを学びましょう。
ツールを活用する：TradingViewのようなチャートツールを使うことで、市場分析を行い、より情報に基づいた判断ができます。

9. ハッキング被害を受けた日本の暗号資産取引所

日本は強固な規制体制を整えているにもかかわらず、過去に複数の日本の暗号資産取引所がハッキング被害を受けています。以下に代表的な事例を紹介します。

Mt. Gox

かつては世界最大のビットコイン取引所だったMt. Goxは、2014年に大規模なハッキング被害を受け、およそ85万BTCが流出しました。この事件は暗号資産取引所の大きな脆弱性を浮き彫りにし、投資家保護を強化するために日本の規制が強化されるきっかけとなりました。
Coincheck

2018年にCoincheckはハッキング被害を受け、約5億3,000万ドル相当のNEMトークンが盗まれました。これは暗号資産史上最大級のハッキングの一つです。その後、Coincheckはセキュリティ対策を強化し、より厳格な規制のもとで運営を続けています。
Bitpoint

2019年にはBitpointがハッキングされ、約3,200万ドル相当の複数の暗号資産が流出しました。顧客資金と会社資金の両方が被害を受け、セキュリティ強化のためにサービスが一時停止されました。
DMM Bitcoin

2024年5月30日、DMM Bitcoinは大規模なハッキング被害を受け、約4,502.9BTC（推定3億500万ドル相当）が流出しました。攻撃者は取引所の秘密鍵を狙い、不正アクセスによってユーザー資金を盗み出しました。これを受け、DMM Bitcoinは出金や新規アカウント登録を一時停止し、レバレッジ取引にも制限をかけました。同社は流出したビットコインと同量を調達し、被害を受けたユーザーに全額を補償すると表明しています。また、今後のハッキングを防ぐため、追加のセキュリティ対策を導入しました。
Bybit

2025年2月、Bybitは約15億ドル相当のデジタルトークンをハッカーに盗まれるという、暗号資産史上最大級のハッキング被害に遭いました。BybitのCEOであるBen Zhou氏によれば、通常はオフラインで保管されているはずの「コールドウォレット」からイーサ（ETH）を含む複数の暗号資産が盗まれたとのことです。ブロックチェーン調査会社のEllipticは、この被害額が従来の最大ハッキング被害の2倍以上であり、「あらゆる種類の窃盗事案としても史上最大規模だろう」と指摘しています。